2026.07.01 ブログ
令和8年分路線価が公表。全国平均+2.9%、5年連続の上昇は過去最大の伸び幅に。
PUBLISHED — 2026.07.01 11:00
国税庁が公表した令和8年分路線価は、全国約31万地点の標準宅地平均で前年比+2.9%。2010年の算定方式導入以降で最大の上昇率となり、都道府県庁所在都市の最高路線価は35年ぶりに下落ゼロを記録した。過去のデータと比較しながら、地価上昇の実態を読み解く。
+2.9%
5年連続上昇
全国平均上昇率の推移
令和4年分以降、全国平均の上昇率は毎年切り上がっている。単発の地価回復ではなく、複数年にわたる持続的な上昇局面に入っていることが、この5年間の推移から見えてくる。
※国税庁公表資料をもとに作成。令和4年分は算定方式変更後の回復初期にあたる。
上昇率の高い都道府県
東京都が+9.4%で断トツの首位。全国平均の3倍を超える伸びで、都心のオフィス需要とマンション需要の底堅さが際立つ。地方でも、訪日客需要を取り込んだ沖縄・大阪、そして「福岡都市圏」の拡大が波及した佐賀が上位に食い込んだ。
| 01 | 東京都都心オフィス・マンション需要が牽引 |
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+9.4% |
| 02 | 佐賀県「福岡都市圏」の拡大、佐賀駅前は+17.0% |
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+4.5% |
| 03 | 福岡県市中心部の地価高騰が周辺へ波及 |
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+4.2% |
| 04 | 沖縄県 / 大阪府訪日客需要の底堅さが継続 |
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5%台 |
全国最高路線価:41年連続 銀座「鳩居堂」前
東京都中央区銀座5丁目、文具店「鳩居堂」前は、41年連続で全国最高路線価の座を守った。この3年で価格は約1,000万円、率にして2割以上も上昇している。
銀座中央通り「鳩居堂」前
1㎡あたり 5,336万円
前年比+11.0%。インバウンド消費の拡大と高級ブランドの出店競争が続き、日本で最も地価の高い場所は、なお上昇を続けている。
上昇率ランキング:スキーリゾートが上位独占
金額ではなく「伸び率」で見ると、今年目立ったのは海外で知名度の高いスキーリゾート地。円安を背景とした海外投資マネーの流入と、訪日客向け施設の需要拡大が地価を押し上げた。
上昇一色の中で ― 下落した地域
石川県輪島市「朝市通り」/2年連続で全国最大の下落率
2024年に発生した能登半島地震の被害が依然として深く影を落とす。全国的な地価上昇のニュースの裏で、被災地の復興が続く長い道のりを、路線価という客観的な数字が映し出している。
上昇を支える3つの要因
訪日客需要の拡大
2025年の訪日客数は約4,260万人と2年連続で過去最多を更新。観光需要が都市部だけでなく地方のリゾート地の地価まで押し上げている。
都心の再開発・オフィス需要
都心部ではオフィスビルの空室率低下とマンション需要の底堅さが続く。再開発が進むエリアを中心に地価上昇が加速している。
国内外の投資マネー
円安を背景とした海外からの不動産投資、国内の資産運用マネーの流入が重なり、都市・地方を問わず地価の押し上げ要因となっている。
相続・贈与を控える方へ
路線価の上昇は、相続税・贈与税の課税標準額の上昇に直結する。特に都市部に不動産を所有している場合、評価額の上昇によって想定より大きな税負担につながる可能性もある。小規模宅地等の特例など各種の軽減措置はあるものの、路線価の動きを毎年チェックし、必要であれば早めに専門家へ相談しておくことが、将来への備えとして重要になる。
路線価は毎年1月1日時点の評価であり、令和8年分は今年1月時点の地価を反映したものだ。今後、金融政策や為替相場の変化次第で、この上昇ペースが続くかどうかは不透明な部分もある。ただし、5年連続の上昇、そして過去最大の伸び率という結果は、日本の不動産市場が引き続き強い上昇局面にあることを改めて示している。
各地点の詳細な路線価図・評価倍率表は、国税庁「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」でご確認いただけます。
https://www.rosenka.nta.go.jp/


